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女子大学生が襲われたマンション付近を調べる警察官ら=2023年6月29日午後1時4分、横浜市鶴見区、朝日新聞社ヘリから、内田光撮影
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 横浜市鶴見区のマンションで、大学1年の冨永紗菜さん(当時18)が刺殺された事件で、殺人などの罪に問われた元交際相手の配送行伊藤龍稀(はるき)被告(23)に対し、横浜地裁で21日、懲役18年(求刑懲役20年)が言い渡された。判決は「被害者に落ち度はなく、自分の気持ちばかりを優先させた短絡的な犯行」と厳しく非難。交際のもつれから命が奪われる事態をいかに防ぐか、重い課題が残された。

 判決後、裁判員らが記者会見に応じた。横浜市の男性(59)は「対策を考えていかないとこういう事件は減らない。周りの友人がおかしいと思ったら声をかけるなどの積み重ねで減らせるのではないか」。横浜市の40代の会社員男性は「前兆があった時に警察、学校に相談する。大きな問題に発展する前段階でどれだけ拾い上げ、対策できるかが大事と感じた」と語った。

 被告と冨永さんは2021年3月ごろ、交際を始めたが、被告の暴力などで別れと復縁を繰り返した。神奈川県警によると、2人の間でトラブルがあったとする通報などを受けて4回出動したが、復縁の意向などが示され、被害届は提出されなかったという。冨永さんの父親は、被告が暴力をやめられるよう医療機関で治療を受けることを求めたが、被告は応じなかった。

 事件の約1週間前、冨永さん…

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